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「タイ不動産 名義 所有形態」を調べる人がまず押さえるべきは、外国人が選べる形態が主に「フリーホールド(完全所有権)」と「リースホールド(借地権)」の2つに絞られるという点です。結論から言うと、コンドミニアムは外国人名義で完全所有できる一方、土地付き戸建ては原則として外国人の直接所有が認められていません。この記事では、2026年9月時点の情報をもとに、タイ不動産の名義と所有形態の違い、物件タイプごとの所有可否を購入検討者向けに整理します。
なぜ最初に名義を理解すべきかというと、所有形態によって「売却のしやすさ」「相続のしやすさ」「保有期間」が大きく変わるからです。契約してから「思っていた権利と違った」とならないよう、入口で押さえておきましょう。
タイ不動産の名義と所有形態の基本
タイの不動産における権利は、大きく「フリーホールド(Freehold=完全所有権)」と「リースホールド(Leasehold=借地権・賃借権)」に分かれます。フリーホールドは物件そのものを自分の名義で所有し、土地局(Land Office)の権利証(チャノート等)に名前が記載される形です。リースホールドは、所有権そのものではなく「一定期間(多くは30年)使用する権利」を登記する形になります。
外国人にとって重要なのは、この2つを物件タイプごとに使い分ける必要がある点です。AsiaPropの掲載物件データを見ると、コンドが338件(73.8%)、戸建が120件(26.2%)で、外国人が取得しやすいコンドミニアムが市場の約74%を占めます。これは、コンドが外国人にとって所有のハードルが低いことと無関係ではありません。
日本の不動産では「土地と建物をセットで所有する」のが当たり前ですが、タイでは土地の所有に外国人規制があるため、この感覚のままだと選択を誤りやすくなります。日本との一番の違いは、「外国人は建物(コンドの専有部分)は持てても、土地は原則持てない」という点です。この前提を理解しておくと、なぜコンドが外国人に向いているのか、なぜ戸建ては工夫が必要なのかが見えてきます。
フリーホールド(完全所有権)とは
フリーホールドは、物件を期限なく自分の名義で保有できる完全所有権です。売却・賃貸・相続を自分の判断で行え、権利が最も強い形態です。外国人がフリーホールドで取得できる代表例がコンドミニアムです。タイのコンドミニアム法では、1棟の総専有面積の49%まで外国人名義で所有でき(49%ルール)、この枠内であれば外国人もフリーホールドで部屋を持てます。
ただし条件があります。外国人がフリーホールドで登記するには、購入代金を国外から外貨で送金した証明(FET)が必要です。国内のバーツで支払うと外国人枠での登記ができないことがあるため、送金方法には注意が必要です。49%枠やFETの詳細は外国人所有ルールの解説で確認できます。
フリーホールドの登記費用はいくらかかるか
フリーホールドで登記する際は、土地局で移転登録税・特定事業税・印紙税などを合わせて、物件価格のおおむね6%台の費用が発生します。後述するリースホールドの登記手数料(1%台)と比べると大きな差があるため、初期費用を試算する段階で織り込んでおくべきポイントです。内訳の詳細はタイ不動産の取得税・移転登記費用を徹底解説で解説しています。
リースホールド(借地権)とは
リースホールドは、所有権ではなく「一定期間使用する権利」を登記する形態です。一般的な期間は30年で、契約により更新の取り決めを加えることもありますが、更新は法的に確実に保証されたものではない点に注意が必要です。外国人が土地付き戸建てに住みたい場合や、コンドの外国人枠(49%)が埋まっている場合の代替手段として使われることが多い方法です。
リースホールドは初期費用を抑えやすい一方、期間満了後の権利が不確実で、売却時の流動性もフリーホールドより低くなりがちです。「長く住む・貸す・将来売る」のどれを重視するかで向き不向きが分かれます。法的な細部は専門家への確認が欠かせず、タイ不動産の法律もあわせて読んでおくと安心です。
リースホールドの登記費用と「保護リースホールド」という選択肢
リースホールドの土地局への登記手数料は、物件価格のおおむね1%台とフリーホールドより低く抑えられます。初期費用を優先する人にとっては魅力ですが、更新の約束が契約書に書かれていても、法的に確実な保証ではない点は変わりません。この不確実性を補う仕組みとして、借主がタイ法人の株主となり、その法人が物件の所有権(チャノート)を保有する「保護リースホールド」という契約形態が使われることがあります。更新の実務を法人側で管理できるため一定の安心材料にはなりますが、法人運営や株主構成の管理コストが発生し、ノミニー(名義貸し)規制との線引きも専門的な判断が必要なため、必ず現地の弁護士に相談したうえで検討しましょう。
コンドと戸建で異なる所有可否
タイでは、外国人が土地を直接所有することは原則認められていません。そのため土地付きの戸建ては、外国人がフリーホールドで持つのが難しく、リースホールド(借地権)にするか、タイ法人を通じて保有するといった方法が検討されます。一方コンドミニアムは、建物の専有部分を外国人名義で完全所有できる例外的な存在です。
価格面でも違いがあります。AsiaPropの掲載物件データでは、戸建の平均価格は約4,699万バーツとコンドの平均(約1,653万バーツ)の約3倍です。外国人にとっては、所有のしやすさと価格の両面から、コンドミニアムが現実的な選択肢になりやすいといえます。
戸建てにどうしても住みたい場合の選択肢は、おおむね3つです。タイ人配偶者やタイ法人の名義にする、土地を30年リースして建物のみ所有する、コンド型の戸建て(一部の低層プロジェクト)を探す、といった方法です。いずれも完全所有権より権利が弱かったり、名義をめぐるリスクがあったりするため、メリットとデメリットを並べて比較したうえで判断しましょう。「土地は外国人が直接持てない」という前提から逆算して住まいの形を考えると、無理のない選択ができます。
名義の選び方と注意点
名義を選ぶときは、「保有目的」を基準にすると整理しやすくなります。自分で長く住む・確実に相続させたい・将来売りやすくしたいなら、コンドのフリーホールドが第一候補です。土地付きの住まいにこだわる、初期費用を抑えたいといった場合はリースホールドも選択肢に入りますが、期間と更新条件をよく確認しておきましょう。
注意したいのは、タイ人配偶者名義や法人名義での保有です。一見すると土地も持てるように見えますが、実質的な支配権の問題や、名義をめぐるトラブルが起きることもあります。安易な名義設定は避け、契約前に専門家へ相談するのが安全です。日本語で相談できる法律事務所の解説(長島・大野・常松法律事務所など)も参考になります。購入全体の流れはタイ不動産の買い方完全ガイドで確認できます。
名義と所有形態は、タイ不動産で最初につまずきやすいポイントですが、「コンドはフリーホールドで完全所有・土地は原則持てない」という軸を押さえれば判断しやすくなります。制度は変わることがあるため、最新のルールは専門家にも確認しておきましょう。
外国人枠拡大やリース期間延長の議論はどうなっているか?
タイ政府内では、外国人のコンドミニアム所有枠を現行の49%から引き上げる案や、リースホールドの標準期間を延長する案が議論されていますが、2026年9月時点ではいずれも法改正には至っていません。 外国投資の呼び込みを目的とした提案で、実現すれば所有・賃借の選択肢が広がる可能性があります。
ただし、こうした提案は発表されてから実際の法改正まで数年単位の時間がかかることも珍しくなく、内容が修正・撤回されることもあります。「枠が広がる予定だから」という理由だけで現行制度を前提とした判断を先送りにするのはリスクが高く、購入・契約の意思決定は、あくまで現行の49%ルールと現行のリース制度を前提に行うのが安全です。制度変更の動向は、契約直前に最新情報を弁護士や信頼できる情報源で確認しておきましょう。
よくある質問
Q. フリーホールドとリースホールドの登記費用はどう違いますか? A. フリーホールドは移転登録税・特定事業税・印紙税などを合わせて物件価格のおおむね6%台、リースホールドは登記手数料が1%台が目安です。初期費用を優先するならリースホールドが軽くなります。
Q. 外国人の所有枠が広がる話は本当ですか? A. 政府内で49%枠の引き上げ案が議論されていますが、2026年9月時点では法改正には至っていません。実現時期は不透明なため、現行の49%ルールを前提に判断するのが安全です。
Q. リースホールドの更新は保証されますか? A. 契約書に更新の取り決めがあっても、法的に確実な保証ではありません。更新の実務を安定させたい場合は「保護リースホールド」という仕組みもありますが、専門家への相談が前提です。
名義と所有形態を選ぶポイント
- 外国人が選べる主な形態は、完全所有権のフリーホールドと借地権のリースホールドの2つです。
- コンドミニアムは49%枠内なら外国人名義で完全所有でき、保有のハードルが低いのが特徴です。
- 土地付き戸建ては外国人の直接所有が原則認められず、リースや法人保有などの工夫が必要です。
- フリーホールドで登記するには、購入代金を国外から外貨で送金した証明(FET)が求められます。
- 名義は「長く住む・貸す・将来売る」のどれを重視するかという保有目的を基準に選ぶと整理しやすくなります。
49%枠やFETの詳細は外国人所有ルールの解説で確認できます。
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