タイ不動産の法律で日本人がまず押さえるべき点を結論から言うと、「コンドミニアムは外国人名義で買えるが、土地と一戸建ては原則買えない」というルールです。ここを誤解したまま契約に進むと、名義トラブルや登記の無効といった重大なリスクにつながります。この記事では、外国人がタイで不動産を購入する際の法律的な注意点を、49%ルール・名義の問題・登記の流れ・弁護士費用の目安に分けて整理します。
タイの不動産取引は、土地法とコンドミニアム法、そして民商法典(Civil and Commercial Code)を土台に成り立っています。日本の感覚で進めると落とし穴にはまりやすいため、最初に全体像をつかんでおくことが大切です。
コンドミニアムの49%ルールとは
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外国人がタイで唯一、自分の名義で確実に所有できるのがコンドミニアムです。ただし無制限ではなく、「1棟あたりの総専有面積の49%まで」しか外国人名義で登記できないという、いわゆる49%ルールが定められています。残りの51%はタイ人または法人の名義でなければなりません。
つまり同じ物件でも、外国人枠(フォーリナークォータ)が埋まっていれば、あなたは買えないということです。AsiaPropの掲載物件を見ても、外国人が取得しやすいコンドミニアムはバンコク物件全体の約74%(458件中338件)を占めますが、人気エリアの好立地物件では外国人枠が先に埋まりやすい傾向があります。契約前に「この部屋は外国人枠で登記できるか」を必ず書面で確認してください。
購入代金は海外から外貨で送金し、銀行が発行する外貨送金証明(FET:Foreign Exchange Transaction Form)を取得する必要があります。この書類がないと、外国人名義での登記そのものができません。
土地・一戸建ては原則所有できない
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一方、土地と土地付きの一戸建ては、外国人が直接所有することは原則としてできません。「タイ人配偶者の名義にする」「タイ法人を設立して保有する」「30年リース契約を結ぶ」といった方法が一般的ですが、いずれも注意が必要です。
特にリスクが高いのが、ノミニー(名義貸し)と呼ばれる手法です。形だけタイ人や法人の名義を借りて実質的に外国人が所有するやり方は、土地法違反とみなされ、契約が無効になる可能性があります。「タイ人名義にすれば買える」という営業トークを鵜呑みにせず、合法的なスキームかどうかを専門家に確認することが欠かせません。
築年数の観点も、物件選びでは見落とせません。AsiaPropの掲載物件で築年が判明している169件のうち、91%(154件)が2007年以降の竣工です。比較的新しい物件が中心のため、旧法下で建てられた権利関係の不透明な物件をつかむリスクは小さめですが、それでも個別の登記内容の確認は必須です。
登記と諸費用の流れ
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売買がまとまると、土地局(Land Office)で所有権の移転登記を行います。この場で各種税金・手数料を支払うのが一般的です。基礎データをもとに主な費用の目安をまとめると、移転登記料が物件価格の2%、印紙税が0.5%(5年以上保有の場合)、5年未満で売却する際の特定事業税(SBT)が3.3%です。これらを売主と買主のどちらが負担するかは交渉次第のため、契約書に明記しておきましょう。
弁護士費用は3〜5万バーツ(約13万〜23万円、1バーツ=4.5円換算)が目安です。日本の不動産取引では司法書士が登記を担いますが、タイでは契約書のリーガルチェックから登記立ち会いまでを弁護士に依頼するのが安心です。数百万円〜数千万円の買い物に対して数万バーツの費用は、トラブル回避の保険として十分に見合うと考える買主が多いようです。
よくある法的トラブルと回避策
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実際に日本人が巻き込まれやすいトラブルも知っておきましょう。代表的なのが、前述のノミニー(名義貸し)による土地保有が後から問題化するケースです。名義人であるタイ人との関係が悪化したり、相続が発生したりすると、実質的な所有者である外国人が権利を主張できず、最悪の場合は資産を失いかねません。土地を「実質所有」しようとするスキームには、常にこの種のリスクが伴うと理解しておくべきです。
次に多いのが、オフプラン(竣工前販売)物件での頓挫です。完成前に手付金を払ったものの、デベロッパーの資金繰り悪化で工事が止まり、物件が引き渡されないまま資金が戻らない、という事例が過去にありました。竣工前物件を買う場合は、デベロッパーの実績・財務状況・過去の竣工履歴を確認し、契約書に完成遅延時の返金条項が入っているかをチェックすることが回避策になります。
さらに、契約書がタイ語のみで作成され、内容を十分理解しないままサインしてしまう問題もあります。タイの契約は原則としてタイ語版が正本となるため、日本語や英語の訳文だけを信じるのは危険です。弁護士に両言語を突き合わせてもらい、不利な条項がないかを確認してから署名しましょう。
契約前に確認したい法的チェックポイント
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最後に、契約前に必ず確認したい項目を挙げます。第一に、対象物件の外国人枠が空いているか。第二に、売主が本当の所有者か(権利書チャノートの名義確認)。第三に、抵当権や差し押さえが付いていないか。第四に、デベロッパーが新築の場合、建設許可と完成保証が揃っているか。これらは弁護士が行うデューデリジェンス(事前調査)で確認できます。
「では、買った後に売れるのか」という次の疑問もよく聞かれます。外国人名義のコンドは外国人にも転売でき、流動性は比較的保たれますが、出口でも同じ49%ルールが効く点は意識しておきましょう。なお、ビザの有無は不動産の所有とは別の制度です。物件を所有していても自動的に長期滞在ビザが得られるわけではない点にも注意してください。
制度や税率は変更される可能性があります。最新の条件は、タイの土地局や日本国大使館、現地の不動産弁護士に確認することをおすすめします。出典として、外国人所有ルールや諸費用は国土交通省の海外建設情報や現地法律事務所の公開情報を参照しています。
AsiaPropでは、外国人枠や築年などの条件で物件を絞り込んで探せます。バンコクの物件を検索する → https://asiaprop.net/properties