タイへの海外送金は、結論から言うと「銀行送金」と「Wiseなどの国際送金サービス」のどちらが得かは、送金額と目的によって変わります。生活費のような少額・頻繁な送金ではWise等のサービスが手数料を抑えやすい一方、不動産購入のようなまとまった資金の送金では、書類要件の観点から銀行送金が基本になる場面があります。この記事では、2026年8月時点の情報をもとに、銀行送金と国際送金サービスの違いと、目的に応じた使い分け方を整理します。
なぜ海外送金の方法を比較する必要があるのか?
Photo by Benjamin Dada on Unsplash
海外送金は方法によって、最終的にタイ側で受け取れる金額が数%単位で変わることがあります。 送金手数料だけでなく、為替レートに上乗せされるスプレッド(手数料込みのレート差)、中継銀行を経由する場合の追加手数料など、表示されている手数料だけでは見えないコストが積み重なるためです。
バンコクで生活する日本人にとって、生活費の仕送りや不動産購入資金の送金は避けて通れない場面です。1回あたりの送金額が大きいほど、方法の違いによる差額も大きくなるため、送金前に選択肢を比較しておく価値があります。海外送金や外国為替の取り扱いはタイ中央銀行(Bank of Thailand)の規制の範囲内で行われており、制度は変更されることがあるため、大きな金額を送る際は最新の規制も確認しておくと安心です。
銀行送金とWise等の国際送金サービス、何が違うのか?
Photo by Ragnar Vorel on Unsplash
銀行の海外送金は着金までに日数がかかり中継銀行手数料が発生することがある一方、Wiseのような国際送金サービスは実勢為替レートに近いレートで手数料が明示されているのが基本的な違いです。 どちらも一長一短があり、送金額や急ぎ度によって向き不向きが分かれます。
| 項目 | 銀行の海外送金 | Wise等の国際送金サービス |
|---|---|---|
| 為替レート | 銀行独自のレート(スプレッドが不透明なことが多い) | 実勢為替レートに近く、手数料が明示されやすい |
| 手数料体系 | 送金手数料+中継銀行手数料が発生することがある | サービス手数料が事前に明示される |
| 着金スピード | 中継銀行を経由する場合は数営業日かかることも | 比較的早いケースが多い(サービス・送金先による) |
| 送金上限 | 高額送金にも対応 | サービスによって上限が設定されている場合がある |
| 不動産購入資金としての実績 | FET(外貨持ち込み証明)の発行実務で広く使われている | サービスによって対応可否・書類発行の可否が異なる |
手数料の「見えないコスト」に注意
銀行の海外送金では、送金元・中継・受取の3つの銀行それぞれで手数料が発生することがあり、これが「見えないコスト」になりがちです。着金額が想定より目減りして初めて気づくケースも少なくありません。国際送金サービスは手数料が事前に明示されている分、総コストを把握しやすいのが利点です。ただし、いずれのサービスでも実際の適用レートは送金のタイミングによって変動するため、送金直前にアプリや公式サイトで最新のレートと手数料を確認する習慣をつけておくと安心です。
送金額によって影響の大きさは変わるか
送金コストの差は、金額が大きくなるほど無視できなくなります。AsiaPropの掲載物件データでは、1BRコンドの平均価格は約704万バーツ、2BRになると約1,543万バーツです。仮に為替スプレッドや手数料の差が送金額の1%程度あったとすると、704万バーツの送金では数万バーツ、1,543万バーツの送金ではその倍以上の差額になる計算です。生活費のような月数万バーツの送金では方法による差は小さく感じられても、不動産購入のようなまとまった金額では、事前の比較が実額として大きな意味を持ちます。
用途別にどちらを選ぶべきか?
Photo by Hiep Nguyen on Unsplash
送金の目的によって、選ぶべき方法は変わります。生活費や家賃など、日常的で少額の送金であれば、手数料が明示されやすい国際送金サービスを使い分けるオーナーが増えています。実際、タイ 外国人の銀行口座開設|手順・必要書類・銀行別の難易度でも、日常的な送金にはWiseを併用する例が紹介されています。
一方、不動産購入のようなまとまった資金の送金では注意が必要です。外国人がタイのコンドミニアムを購入する際は、購入代金を国外から外貨で送金したことを示す「外貨持ち込み証明(FET)」の取得が前提になり、これは主に銀行の海外送金で発行される実務が確立しています。国際送金サービス経由でも送金自体は可能な場合がありますが、FETに相当する証明が発行できるかはサービスによって対応が分かれるため、事前に取扱可否を確認しておく必要があります。FETの仕組みと取得手順はタイ不動産のFET取得手順|外貨送金証明とはで詳しく解説しています。
物件購入にかかる諸費用全体を把握しておきたい方は、タイ不動産の購入諸費用シミュレーションもあわせてご覧ください。海外送金手数料も諸費用の一部として、購入資金の計画に組み込んでおくと安心です。
送金前に確認すべきポイントは?
Photo by Simon PALLARD on Unsplash
送金前に確認しておきたいのは、送金目的の明記、適用される為替レート、そして着金までの想定日数の3点です。特に不動産購入の送金では、送金依頼書の摘要欄に「物件名・部屋番号・購入目的」を明記しないと、FETの発行で不備を指摘されることがあります。
金額の大きな送金ほど、日々変動する為替レートの影響も無視できません。バーツ建ての支払い予定額は 1バーツ=4.83円(参考為替レート(自動取得)・2026年8月更新)
で円換算しておくと、必要な日本円の目安をつかみやすくなります。決済や登記のスケジュールがある場合は、着金までの日数を逆算して余裕を持って送金することも忘れないようにしましょう。複数回に分けて送金する場合は、その都度手数料が発生する点にも注意が必要です。まとまった金額を1回で送るほうが、細かく分割するより総手数料を抑えやすい傾向があります。ただし1回あたりの送金額には各サービス・各銀行で上限や審査基準が設けられていることもあるため、大口の送金を検討する際は事前に上限額と必要書類を確認しておくとスムーズです。
よくある質問
Photo by Hiep Nguyen on Unsplash
Q. タイへの海外送金はWiseと銀行どちらが安いですか? A. 一般的に、少額の生活費送金ではWise等の国際送金サービスの方が総コストを抑えやすい傾向があります。ただし実際のレートと手数料は送金のたびに変動するため、都度比較することをおすすめします。
Q. 不動産購入の代金もWiseで送金できますか? A. 送金自体は可能な場合がありますが、購入代金の送金では「外貨持ち込み証明(FET)」の発行可否がサービスによって異なります。事前にサービス側へFET相当の証明が発行できるか確認し、対応できない場合は銀行の海外送金を利用するのが安全です。
Q. 海外送金で見落としがちな手数料はありますか? A. 銀行送金では、送金元・中継・受取の3つの銀行それぞれで手数料が発生することがあり、これが着金額を目減りさせる「見えないコスト」になりがちです。事前に手数料体系を確認しておくと想定とのズレを防げます。
タイへの海外送金サービス比較のポイント
Photo by PiggyBank on Unsplash
- 海外送金は方法によって、着金額が数%単位で変わることがあり、手数料だけでなく為替スプレッドや中継銀行手数料まで含めて比較しましょう。
- 銀行送金は高額送金や不動産購入のFET発行実務で使われる一方、Wise等の国際送金サービスは手数料が明示されやすく少額の送金に向いています。
- 不動産購入代金の送金では、サービスがFET相当の証明を発行できるかを事前に確認することが欠かせません。
- 送金前は、送金目的の明記・適用レート・着金までの日数の3点を必ずチェックしましょう。
購入資金の送金を検討している方は、FETの取得手順や購入諸費用の記事もあわせてご確認ください。
AsiaPropでバンコクの物件を検索する → https://asiaprop.net/properties