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バンコク洪水リスク完全ガイド|エリア別の傾向

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バンコク洪水リスク完全ガイド|エリア別の傾向

バンコクの洪水リスクをエリア別に解説。2011年大洪水の教訓、チャオプラヤ川と低地の浸水傾向、ハザードマップの見方、水害に強い物件の選び方を日本人の移住・投資検討者向けに数字と出典付きでまとめます。

AsiaProp編集部·
バンコク洪水リスク完全ガイド|エリア別の傾向

Photo by Yavor Punchev on Unsplash

バンコクの洪水リスクを結論から言うと、「街全体が水没するわけではないが、エリアと物件選びを誤ると毎年のように浸水に悩まされる」というのが実態です。バンコクはチャオプラヤ川の三角州に広がる平坦な低地で、平均標高が海抜1〜2メートルほどしかありません。雨季(おおむね5〜10月)の豪雨や上流ダムの放流が重なると、排水が追いつかず冠水が起きやすい地形です。この記事では、移住・投資を検討する日本人向けに、バンコクの洪水リスクをエリア別の傾向と物件選びの観点から整理します。

2011年大洪水が残した教訓

2011年大洪水が残した教訓

Photo by Simon PALLARD on Unsplash

バンコクの洪水を語るうえで欠かせないのが、2011年のタイ大洪水です。チャオプラヤ川流域で記録的な雨量となり、北部・中部の工業団地や郊外の住宅地が長期間水没しました。日系企業の工場が集まるアユタヤ周辺も大きな被害を受け、サプライチェーンへの影響は世界的なニュースになりました。

この時の教訓は二つあります。一つは、被害の大きさが「標高」と「川・運河からの距離」で大きく分かれたこと。もう一つは、都心の中心業務地区(スクンビットやシーロムの主要部)は堤防と排水ポンプで比較的守られた一方、郊外や運河沿いの低地は長く水が引かなかったことです。つまり同じバンコクでも、立地によってリスクの濃淡がはっきり分かれます。

エリア別の浸水傾向

エリア別の浸水傾向

Photo by Hiep Nguyen on Unsplash

エリアごとの傾向を、地形と排水インフラの観点から整理します。まず、スクンビットの一部は低地で、短時間の豪雨で道路が冠水する「都市型洪水」が起きやすいエリアです。ただし主要コンドミニアムは1階を駐車場やロビーにして居住フロアを上げる設計が多く、住戸そのものが浸水する例は限られます。

一方、ラマ9世通り・ラチャダー周辺やフアイクワーンといった内陸側のエリアは、相対的に標高がやや高く大河川から離れているため、河川氾濫型の洪水には強い傾向があります。AsiaPropの掲載物件データでも、フアイクワーンはコンド37件・平均約1,310万バーツ(約5,900万円、1バーツ=4.5円換算)と、スクンビットの約6割の価格水準でMRT通勤圏に住めるエリアです。価格と水害リスクの両面から、内陸の高台寄りエリアを検討する移住者は少なくありません。

注意したいのは、運河(クローン)沿いや川沿いのリバービュー物件です。眺望は魅力的ですが、増水時には最も影響を受けやすい立地でもあります。「眺めの良さ」と「水害リスク」はトレードオフになりやすい点を踏まえて選びましょう。

なぜバンコクは水が溜まりやすいのか

なぜバンコクは水が溜まりやすいのか

Photo by Road Trip with Raj on Unsplash

エリア別の傾向を理解するうえで、バンコクの地形と排水の仕組みを押さえておくと役立ちます。バンコクは「東洋のベニス」と呼ばれたほど運河が網の目のように走る低湿地に発展した街で、もともと水と共に暮らす土地でした。近年は都市化で運河が埋め立てられ、コンクリートに覆われた面積が増えたことで、雨水が地中に染み込みにくくなっています。

加えて、地下水のくみ上げによる地盤沈下も長年の課題です。地盤が下がると相対的に浸水しやすくなり、排水ポンプへの依存度が高まります。チャオプラヤ川の水位が満潮や上流ダムの放流で上がると、市内の水を川へ排出しづらくなり、内水氾濫(街に降った雨が引かない状態)が起きやすくなるという構造です。

つまりバンコクの洪水は「川があふれる」だけでなく、「降った雨が抜けない」タイプも多いということです。だからこそ、物件単位での標高差や排水設備の有無が、被害の大小を分ける決め手になります。

ハザードマップと物件選びのポイント

ハザードマップと物件選びのポイント

Photo by Braden Jarvis on Unsplash

では、具体的にどう確認すればよいのでしょうか。日本のように整備された統一ハザードマップは少ないものの、過去の浸水履歴は確認できます。現地の不動産エージェントに「この物件は過去に冠水したか」を直接尋ねるのが最も実務的です。加えて、内見時には次の点をチェックしてください。建物の入口や駐車場が道路面より高く設計されているか、止水板や排水ポンプが備わっているか、近くに大きな運河や低地がないか。

物件の新しさも一つの目安になります。AsiaPropの掲載物件で築年が判明している169件のうち、2020年以降竣工の築浅物件が62%(105件)を占めます。築浅物件は排水設備や電気系統の配置が新しい基準で設計されていることが多く、浸水時の停電・設備被害のリスクを抑えやすい傾向があります。

集合住宅であれば、低層階より中層階以上を選ぶことも有効なリスク対策です。仮に周辺道路が冠水しても、居住フロアが高ければ生活への影響は小さく抑えられます。

もし可能なら、雨季(6〜10月)に内見するのも有効です。乾季には分からない水はけの悪さや、豪雨の後に道路がどの程度冠水するかを、自分の目で確かめられます。近隣住民や建物の管理人に「去年の雨季はどうだったか」を尋ねると、ハザードマップには載らない生々しい実態が分かることもあります。

移住・投資で見落としがちな点

移住・投資で見落としがちな点

Photo by Robby McCullough on Unsplash

最後に、読者が次に抱きやすい疑問にも触れておきます。「洪水保険には入れるのか」という点ですが、タイでは火災保険に水害補償が含まれるケースがあるものの、補償範囲は契約によって大きく異なります。加入前に補償内容を必ず確認してください。また「賃貸でもリスク対策は必要か」については、賃貸であっても家財の被害は自己負担になり得るため、低地の1階住戸は避けるなどの工夫が有効です。さらに「いったん浸水した物件は資産価値が下がるのか」という不安もあるでしょう。浸水履歴のある物件は売却時に敬遠されやすく、価格交渉でも不利になりがちです。裏を返せば、購入時に浸水リスクの低い立地を選ぶことが、将来の出口(売却)でも効いてくるということです。

バンコクの洪水リスクは、正しく知れば過度に恐れる必要はありません。要は「低地・運河沿い・低層階を避け、排水インフラの整った築浅物件を選ぶ」ことに尽きます。なお、降雨やダム貯水量の状況は年によって変動するため、最新情報は気象当局やインターリスク・タイランドなどの現地レポート、日本経済新聞等の報道で確認することをおすすめします。

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